ガウディア担当の 鳥井です。
今週 月曜日に
中学生さんから
過去問について質問を受けました。
「国語の試験で
『ししょうせつ』と解答したら不正解で
『わたくししょうせつ』と書かなければならなかった」
という内容です。
問題は 『私小説』のことです。
私は、漢字の読み方の事だと思い込んで
「どちらも正解だよ」と答えましたが
気になって調べてみました。
すると私も初めて知ったことがあったので
お伝えします。
ししょうせつ≠わたくししょうせつ でした。
広辞苑によると
ししょうせつ…作者自身が自己の生活体験を叙しながら、その間の心境を披瀝してゆく作品。
わたくししょうせつ…イッヒロマン(ドイツ語)。作中の主人公が自らの体験または運命を物語る一人称形式の小説。
つまり
例を挙げると、
ししょうせつは
井上靖「しろばんば」
リリー・フランキー「東京タワー」
などが、皆さんにはわかりやすいでしょうか?
わたくししょうせつは
有島武郎「一房の葡萄」
夏目漱石「吾輩は猫である」
などは、読んだことがありますよね?
井上ひさし「握手」は、
わたくししょうせつだが、実はししょうせつなのでは?とも言われています。
このように
読み方によって違いがありますので、
単に漢字の読みを答える場合は
ししょうせつ、わたくししょうせつ、どちらも正解なのですが、
ある作品名や、作品の特徴を挙げて
「私小説」を読ませる問題の場合、
冒頭に書いた、誤答となってしまう場合もあるわけです。
質問があった時すぐに
明確な解説ができずにすみませんでした。
私も皆さんと一緒に
一つ勉強させて頂きました。
